CBD製品を求めようとすると最近よく聞く「テルペン」。
今回はそんなテルペンについてです。
テルペンは生体物質
テルペン(Terpene)は植物や昆虫、菌類などによって作り出される生体物質(生き物の体内に存在する科学物質)となります。
僕たちの普段の生活には欠かせない重要物質になります。
テルペンは何のためにあるの?
テルペンの特徴として刺激的な強い香りが多いです。この刺激的な強い香りが虫や草食動物を寄せ付けず、菌類から守る役目を果たすなど植物は独自の進化を遂げてきました。
また、テルペンは特に植物に多く含まれています。揮発性で独特な香りをもちつテルペンの香りには血圧を下げる働きやリラックスさせる働きが報告されています。
例えば、柑橘系のさわやかな香りでスッキリした気分になるのは、香気成分によって脳内でリラックス時に発生するα波が出るからだといわれています。
また、スギやヒノキなどの木の種類には人をリラックスさせるものがあり、その香りによって落ち着いたり血圧が下がるという報告もあります。
テルペンによる香り成分は神経系や免疫系などに働きかけることでストレス解消や心身のリラックスに効果があるといわれ、アロマテラピーや香水などにも広く使われています。
ヘンプに含まれるテルペン
ヘンプ(フルスペクトラムCBD製品)に含まれる約200種類のテルペンのうち、代表的なテルペンの種類について記載します。
ミルセン
ミルセンはヘンプに最も多く含まれるテルペンです。
ヘンプのほか、タイム、ホップ、レモングラス、マンゴー、バジルなどのハーブに含まれていて、芳醇な土っぽい香りをもたらします。
医療用途としては研究により鎮痛・鎮静効果、筋肉をリラックスさせる働き、糖尿病の治療に有効であることが発表され、民間治療薬として用いられてきたブラジルの植物「ミルキア・セファエロカルパ」からその名が付けられました。
ミルセンは血液脳関門への浸透性を促して、通過できるカンナビノイドの量を増やし、その効果を高めることが示されています。
つまり、ミルセンの濃度が高ければ高いほど生体利用効率を促進するといえましょう。
ユーカリプトール
ユーカリプトールはシネオールとしても知られていてユーカリに多く含まれる成分となり、ローリエ、ヨモギ、バジリコ、ニガヨモギ、ローズマリー、セージなどの葉にも含まれています。
心良い芳香はさわやかな匂いを放ち、スッキリとした味を持つことから、食品添加物、調理スパイス及び香料、化粧品として使用されています。
また、医療用途では鎮咳剤、うがい薬、せき止めなど様々な製品に使用されているテルペンです。
リモネン
リモネンは自然界に広く存在する最も一般的なテルペンのひとつ。
レモンやオレンジなど柑橘類の果皮に含まれていて、そのさわやかな香りには不安やストレスの緩和に効果があるといわれ、気分の高揚、活力の回復が促進される傾向にあります。
とある実験ではうつ病の入院患者に柑橘系の香りを嗅いでもらったところ、12人中9人が抗うつ剤をやめるなど良好な成果を示したという報告もされています。
また、抗炎症性、抗菌性、抗真菌性を持つほか、コレステロールを含む胆石の分解、がん細胞の細胞死の誘発、特定の型のがんの予防、胸焼けの軽減などの作用を持つことがわかっています。
ピネン
ピネンは松脂や針葉樹に含まれるテルペンです。
植物界だけではなく昆虫界にも含まれていて、昆虫同士の化学コミュニケーションシステムの一部でもあります。
松またはローズマリー、パセリ、バジル、バラなどに含まれている香り成分で、この香りは脳を活性化させて記憶力を高める効果があることでも知られています。
また、抗菌性、抗炎症性があるほか、低濃度で吸引した際には気管支の拡張作用も認められています。
リナロール
リナロールはクスノキ科のローズウッドに最も多く含まれるテルペンです。
花のような香りをもつリナロールはラベンダーにも多く含まれ、リラクゼーションや幸福な感情を促進する作用があるため、アロマテラピーによく使われます。
その落ち着くような鎮静効果から、睡眠を助け、うつ病にも役立つとされているほか、鎮痛、抗炎症薬、または肝臓癌の治療を助けるために使用することができるともいわれています。
βカリオフィレン
カリオフィレンはブラックペッパーやクローブなどに含まれるテルペンで、胡椒のような香りがします。
ほかのテルペン類とは異なる性質を持っていて、カンナビノイド CB2 受容体を活性化することでカンナビノイドのような作用をする、疑似カンナビノイド的作用を持つとみなされているのです。
これにより、βカリオフィレンに抗炎症効果、免疫調整効果も期待でき、不安やうつを緩和し、がん細胞の死を促進することも分かっていてアルコール中毒の治療法となる可能性も持っています。
ほとんどの研究は動物モデルにおいて示されたデータとなりますが、βカリオフィレンはテルペン類の中でも最も薬理効果が期待できる生体物質であるといえます。
まとめ
このように CBD 製品に含まれるテルペンには、様々な香りや作用を持つものがあります。
カンナビノイドと同様にリラクゼーションには不可欠ともいえ、今後もカンナビジオールと共に益々世界的注目されることになるかと思います。
カンナビジオール+テルペンやヘンプ成分全部入りのフルスペクトル製品は、その様々な成分により相乗効果が期待でき、これを「アントラージュ効果(取巻効果)」と言います。